東大卒プロ講師による全科目直接指導

GLS予備校

合格体験記 早稲田大学商学部 N君(東京農業大学第一高校)

Ⅰ 進路の決定

 僕は初め東大志望で、高1の秋にGLS予備校に入会した。2年以上という長い間お世話になったなかで、特に記憶に残っているのは進路相談だ。

 高2になるにあたって、文系と理系のどちらに進むべきかを決めなくてはならなくなった。なんとなく文系の方が向いているような気がしていたが、プログラミングなどにも興味があったため、進路に悩んだ。 そこで原田校長に相談したところ、理系に進むようアドバイスされた。

 そこには、僕が理系に向いているかどうか確かめる原田校長のねらいがあったそうだ。

 もし「なんとなく向いている」という理由だけで興味のある理系の道を捨てたなら、後になって「あのとき理系に進んでいればうまくいってたかも知れないのに……」と不満足が残るかもしれない。そして結局、選択した進路が本当に正しかったのか悩むことになってしまう。

 理系に進めば、仮に上手くいかずに文転したとしても「やはり自分に理系は向いていなかった」と自覚することが出来、その後悩んだり迷ったりすることが無くなる。 僕は文系に進む場合、経済・経営関係を勉強したいと思っていた。 経済・経営関係の学部の入試は、他の学部に比べて数学を重視するため、もし理系に進んで上手くいかずに文転したとしても、理系の勉強が無駄になることは無いのだ。

 僕はアドバイスに従った。

 予想通り学校で習う物理や化学は難しく、全くついていけなかった。 「やはり理系は自分に向いていなかったんだ」と精神的に追い詰められていった。 他の科目にも手がつかなくなり、成績はどんどん落ちて行った。

 転機となったのは、高2の冬に行われたGLS予備校の面談だった。

 原田校長に、そもそも(理系科目も含め)何科目も仕上げなくてはならない東大は自分の性格に向いていないことを指摘され、文転して国数英に的を絞り私立型の勉強するように勧められた。

 それからは、好調だった。

 「東大をあきらめる」という選択をしたことで、受験に真剣に向き合えるようになったからだ。勉強をしなければ、しなかった分だけ進路の選択肢が消えていく、という厳しさにようやく目を向けることができるようになったのだ。

 僕は、勉強を全くせず成績がどん底になった高2時代があったおかげで、高3の一年間を乗り切れたのだと思う。 コンスタントに勉強が出来ていることが、自信につながったのだ。


Ⅱ 高3からの受験勉強

 学校では受験対策の授業を申し込まずに午前で切り上げ、自宅でGLS予備校の宿題を解いた。

 直前までセンター試験の過去問の点数は良くなかった。 高3の秋冬は発展的なことを中心に勉強するので、どうしても基礎が抜けてしまうのだ。 特に数学は基礎の抜けが顕著で、最優先で対策をしなければならなかった。 数学は、冬の中盤まで苦手意識があった。

 僕は、数学の基礎を『チョイス』という参考書で勉強した。 先述のとおり高2のときはほとんど勉強が出来ていなかった時期なので、そのとき解いた『チョイス』の理解度に自信を持つことが出来ず、苦手意識があったのだ。実際に基礎的な部分が出来ていなかったので、『チョイス』の復習をいれることになった。これによって数学の力は伸びていった。 しかし、メンタル面の苦手意識はなかなか拭い去ることが出来なかった。

 本試や模試の過去問は10年以上解いていくうちに点が安定するようになったので、国語のセンター対策をはじめた。 国語の対策を始めたころには、既に早稲田の過去問を解いており、そちらの方では点もそこそこ取れていたので、センター過去問で点が安定して取れないことにあせっていた。 そこで先生と相談し、高1~高2のとき勉強していた『きめるセンター国語』の復習を入れるなどして対策をした。

 そして、本番の一週間前になった。

 数学に時間を割かなくてはならなかったので、その頃になってようやく英語・リスニングの過去問をはじめて解いたのだが、結果はひどいものだった。 言っていることはだいたい聞き取れていると思っていたので、点が取れていないことに驚いた。 センターのリスニングでは、「今は2時だが、待ち合わせはその3時間後にしよう」とか「右のじゃないほうにしてください」というような引っ掛けがよく使われる。「言っていることはだいたい聞き取れている」レベルの僕は、その引っ掛けに騙されてしまっていたのだ。そのことに気が付いてからは、なんとか点数が安定するようになった。

 そして、迎えたセンター試験。

 結果は、国語178(現代文98、古文34、漢文46)、英語194、リスニング42、数ⅠA98、数ⅡB82。

 会心の結果だった。 これがきっかけとなって、数学への苦手意識はなくなり、国語や英語の私大の過去問の点数も、以前より高い点数で安定するようになった。

 センター後はひたすら過去問を解いた。 最初の一般入試である上智・経済学部・経営学科の自己採点(正答率)の結果は、英語70%、国語92%、数学68%。 過去問ほどは出来なかったと思ったので、先生に報告したところ、高得点だという返信をいただき本当に驚いた。 そのおかげで、一週間後の慶応・経済A(不合格)まであせることなく勉強を続けることが出来た。 むしろ途中で中だるみしてしまったくらいだった。

 試験当日と、前日の夜9時以降は勉強しないというルールを決めていた。 あせったり、脳が疲れたりしてしまうからだ。ずっとそのルールを守ってきたのだが、一度だけ、政治経済学部(不合格)の入試の前日は、寝る時間ぎりぎりまで勉強してしまった。対策がやや遅れたというあせりがあったからだと思う。そして今までの疲れもたまっていたのか、本番では100%の力を出すことが出来なかった。

 その失敗を活かし、商学部の前日の夜は勉強をせず、同学部の入試が終わった後は、気分転換のために、会場で出会った友人たちとゲームセンターへ遊びに行った。次の日は社会科学部の入試であり、頭を切りかえたかったからだ。そのためか、商学部と社会科学部の両方に合格することが出来た。