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合格体験記 徳島大学医学部医学科 Hさん(白陵高校)

 私は、今まで中学、高校、浪人時代に渡ってありとあらゆる失敗をしてきました。 全体的にみると、自分の心の持ちようや考え方が悪くて失敗することが多かったと思います。 合格体験記というよりは、失敗体験記のようになってしまいましたが、ここにそれを残すことで、少しでも皆さんの力になれたら嬉しいです。


 1.中学〜高校にかけて

 テスト直前に詰め込むだけ詰め込んで、終わったらすぐに忘れる勉強をしていました。 高校2年生までは新しい範囲の勉強をするので、それをひたすら詰めていたのですが、高校3年生になってからは受験に向けての演習になったので、基礎が全くできていない私は解法の意図も全く分からず、何から勉強して良いのかもわからないまま、ただ与えられるものをこなすのだけで精一杯になっていました。

 自分のレベルに合った勉強ができていないことは分かっていたのですが、自分で必要なものを定めてペースを保って仕上げていくことも出来ず、時間だけが過ぎていきました。高校3年生の1年間は、空回りするだけで実力を蓄えられずに終わってしまったと思います。 後から考えると、受験に必要なのは徹底的に基礎を固めることが最優先だと思うので、勇気を持って基礎まで戻って勉強すべきでした。


 2.GLSとの出会い

 1年間、不完全燃焼で終わってしまった私は、自分のレベルに合った勉強、自分の必要な勉強を重点的に行いたいと思い、GLS予備校に行くことを決めました。 英語は偏差値60くらいを保っていた一方で、理科が偏差値40を切ることも普通にあったので、大手の予備校に行って、この差をならして平均的に成績を上げていくことは難しいのではないかと思いました。 また、根本的な勉強の仕方を覚えることや、日常生活や性格の面からも頭を変えていく必要があると思ったことも大きな理由の1つです。 とにかく基礎ができていなかったので、フィーリングで問題を解いており、このままでは合格できないと考えていました。


 3.入塾直後

 勉強の習慣すらついていなかった私は、集中力が続かなかったし、整理して知識を入れるという基本の勉強作法も身についていませんでした。 授業の知識のチェック時に説明することができなくて珍回答を言うことも多く、とても恥ずかしかったです(笑)。 自分が覚えたことを口で人に説明するというのは、あやふやな知識では絶対にできないものなので、はじめは本当に難しかったです。 自分の勉強の精度の低さを身に染みて感じました。しかし、この徹底的な詰め込みなしでは、今の私はなかったと思います。


 4.春〜夏

 受験がまだ先にあるように感じていた頃です。私は、はっきりと志望校を決められずにいました。 出来る限り上には行きたい。でも上位校には行けそうにない。だったらもう国立ならどこも一緒だからどこでも良いかな。そんな気持ちでした。

 先生にも指摘して頂いたのですが、私は、何事においても、いつも「どうせ自分なんて」と思っていたようです。自分自身にあまりそういう自覚はなく、今考えると、「どうせ〇〇だ」と否定することが客観的に見ることだと思っていたと思います。 私はこの期間にあまり身を入れて勉強出来ませんでした。でも、この期間にどれだけの勉強をしたかが後々かなり大きな差になると思います。


 5.秋〜冬

 なかなか志望校が決められなかったので、合格したら保険になるように、基礎の仕上げ、レベルアップのために、早くに受験がある近畿大学と防衛医科大学校に焦点を当てて勉強をし始めました。 夏の間に大体の問題集をやり終えて、赤本に入ったのですが、伸び悩みました。

 まず、理科の試験の多くは2科目で○分となっていたのですが、私はその配分がうまく出来ず、いつも片方が良いと片方が悪くなりました。 かつてより知識も入ったし、実力も伸びたけれど、スピードがない。でも、時間をかければ解けることもある。その見切りができませんでした。 とても当たり前のことですが、これは開き直って、後ろの方の問題を一度は捨てるしかないです。 もちろん、ハイスピードで解く練習を積まなくてはなりませんが、本番では、みんなが取れるところを絶対に落としてはいけません。 かなりの労力をかけて後ろの方の問題を取っても、ほかの問題の前半を落としてしまうと、あまり上手くはいきません。 これが頭では分かるのに、なかなか実践できませんでした。

 同様のことが数学でもありました。 これは、毎日の優先順位のつけ方が悪いことと繋がっているということで、生活する上でいつも優先順位と時間の割り当てを考えるようにしました。 私は、これを○分でしよう!と思っても、時間感覚がなく、その○分が厳しすぎて達成できないことがかなりあったので、これはとても効果的でした。

 また、私は本番になると取らなきゃ!と力んで粘ってしまうので、たくさん試験を受け、一回一回にかける思いを軽減するという作戦で行きました。 両親にもかなりサポートしてもらうことになりましたが、この作戦で行っていなければ、私立合格、ひいては国立合格もなかったと思います。 あまりにもたくさん受けたせいで、国立前に息切れしてしまったのが大きすぎる反省点ですが、先生はここまで見込んで国立の受験校を勧めて下さっていたので、なんとか合格することができました。

 結果としては、近畿大学は一次不合格でしたが、防衛医科大学校は二次補欠でした。 近畿大学は前述の悪い癖が出てしまい、数学で大失敗をしました。 防衛医大の方は、前日に39度の高熱を出し、薬で熱を下げてフラフラのまま受験をしたのが逆に良かったようです(笑)。 この頃、アガりで失敗を繰り返していましたが、他のことを考える余地のないくらい体がしんどかったのが功を奏しました。 ここで一度、無心で試験を受ける感覚を掴めたのも良かったと思います。


 6.試験で失敗を繰り返した私の根本的問題点

 私は試験を受けるとき、とにかく自信がありませんでした。本番になると不安になって何度も何度も出した答えを見直したり、計算を必要以上にゆっくりしてしまった結果逆にミスが増えたり、といった失敗を何度もしました。 よく、「自分を信じて」と言われますが、私自身は、自分に自信を持てるような成功体験なんてないし、今まで努力してこなかったことがかなり後ろめたいし、とてもじゃないけれど自分の出した答えを信じることができませんでした。 それだけが原因ではなかった(やはり詰め込みの甘さや計算力のなさも私の大きな課題でした)のですが、こういった気持ちで取り組んでいたせいで、前述の5のような問題が起こり、苦しむことになりました。

 1年間かかって私なりに到達した答えは、「自信は作り上げれば良い」ということです。 当たり前かもしれませんが、全然後ろ向きになる必要はないと思えました。 毎日コツコツ勉強する。気になることは全部潰していく。やるべきことは全てやる。 自分のことは自分がいちばんよく分かるので、自分が満足できるよう努力する(もちろん独りよがりにならないように気をつけて)ことが、本番で強くなり、前向きに考えられる姿勢を作ることにつながると思います。 なぜなら、自分が満足できるように勉強することで、試験前に良い意味で開き直りやすくなるからです。

 私は、自分にやましいことがあると、大切なときにそれがふと思い出されたり、焦ったり少しのミスをしたときに冷静になれず、大失敗をたくさんしました。 自分は頑張ったからこれでもういい。あとは仕方ない。自信を持つというよりは、こういった開き直りの境地にいかに行くかというのが私の課題でした。

 それでも不安で仕方ないときは、一緒に試験を受けている友達や、現役で大学に行った友達の「頑張れ」という言葉を思い出していました。 先生が仰っていたことなのですが、独りよがりの人ほど焦って大失敗をしやすいそうです。 私は、「みんなの応援に応えたい」とか「みんなと頑張りたい」という、「できなきゃ→したい」という気持ちに変わることで、かなり安定して試験に臨めるようになったし、一度ブレても、持ち直す強さを持てるようになったと思います。


 7.勉強について

 もともと理科が全くできていなかったので、夏手前までほとんど理科しかやっていませんでした。 物理は一度理解して覚えると点数が伸びたのですが、化学は覚える量が多くて細部まで詰めてできておらず、なかなか安定させられませんでした。 また、物理も化学も今までの土台がないせいで、覚えたこともすぐに抜けていってしまい、最後まで安定させることはできなかったです。 現役のとき、理科は最後にやれば伸びると言われていましたが、それはある程度土台があっての話であって、自分はあまりにもできていなかったです。

 数学は、理科の次に不安定でした。 基本解法が入っていないので、理科をある程度終えてから、集中的に青チャートを例題だけ解きました。 秋に受験があったので、結局、青チャートと赤本演習で力を伸ばすという方向性で受験に臨みました。 その分青チャートを何周もして、演習をしているときは読み物のように持っていました。

 英語は、抜けてきたら文法の問題集とシス単を詰めるの繰り返しで1年を乗り切りました。 あとは、医学部英単語の本を買って、単語を見たら大体こういう意味だったかなくらいにしておくことで、医学系の文章がかなり読みやすくなりました。

 国語、社会はセンターだけなので、優先順位は低かったです。 社会は地理選択でしたが、基本的なことを覚えてから出てくるとめどない知識問題や細かいところを問う問題になかなか対応できませんでした。 ストックがなく、北欧やヨーロッパの国々など同じように思える国があって、知識が頭の中でぐちゃぐちゃになり、かなりまずい状況でした。 センター直前は検索してそれぞれの国や街の雰囲気を画像でも見ることで、地理の感覚が少しでもよくなるようにしました。 国語は、古文単語と漢文の漢字の読みと意味を重点的に見ていました。


 <最後に>

 この受験を通して、私は、学力を伸ばすだけではなく、今までずっと培ってきた自分の良くない考え方をはじめてしっかりと客観視し、改善して来られたと思います。 以前の私は、できない自分が嫌で情けなくて仕方なかったです。どうして自分はできないんだろうとばかり思っていました。 頑張ってできなかったら、みっともない、もっと辛い。そんな考え方でした。

 先生は、そんな私の性格まで見抜いて考えて下さり、ただの受験としてではなく、長い人生のうえで私が納得して次のステップを踏んで行けるようにと尽力して下さいました。 本当に感謝しています。先生に教えて頂いたことを大切にして、胸を張って、新たなスタートを切りたいと思います。本当にありがとうございました。