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合格体験記 熊本大学医学部医学科 T君(宮崎西高校)

「理」の追求

 私がGLS予備校に出会ったのは5浪目の時でした。 それまでマーク型テストでは90%を取ることができず、記述型テストでは良い時はそこそこ、悪い時は極端に悪いという、大変ブレのある学力状況でした。 4浪目の入試も久留米大学医学部医学科、福岡大学医学部医学科共に2次補欠なし、熊本大学薬学部薬学科正規合格という結果で、年数的にも最後の浪人と決め、GLS予備校で浪人することになりました。


@ 評論文と理科と(少し)日本史

 先生は「国語力は全ての科目の基礎力」と力説していますが、私もこの1年間を通して、本当にその通りだと実感しています。 まず、私は入塾当初、アイデンティティーが自己同一性という意味であることは知っていましたが、「じゃあ、自己同一性ってどういうこと?」という質問には即答することができませんでした。

 また、理科においても、「この原子の酸化数は?」という入試問題は解けますが、「酸化数ってなに?」という質問に対して、言葉の意味を正確に答えることができませんでした。 つまり、言葉ひとつひとつをしっかり理解するという勉強が欠けていたのでした。

 このことが私の学力が低迷した大きな根本原因でした。 知識や言葉の意味や本質を人に余すことなく説明できるぐらいの理解を追求することが非常に大事であったのです。 このことは、先生に年間を通して頭に焼きつくぐらい言われ続けました。


 また、理解の仕方にも作法があり、それは因果関係で物事を理解するということでした。 評論文では、筆者の主張と理由の因果関係を押さえつつ文章を読解していかなければいけないと思いますが、理科の言葉の意味を理解する際にも、酸化数の定義(化合物構成元素の電子の不足数を表したもの)を押さえた上で、「なんで電子が不足するのか?」(それは電気陰性度が強い原子は化合物構成元素のもう一つの原子の共有電子対をひきつけるので、その結果、電子が不足して、その不足分、増加分を酸化数で表している)を押さえるというように、因果関係で知識や言葉を身につけることも大事でした。

 確かに、物理の位置エネルギーや運動量保存則などは力学運動を語る上での原理原則なので、こうした言葉は因果関係とは関係なく定義をしっかり押さえることが大事なのですが、知識によっては理解を深めないといけないのもあります (どこまで追求するかのさじ加減は、自分の知的好奇心と大学受験で必要とされる程度を考慮に入れつつ、自分で判断する必要があると思いますが)。


 しかし、因果関係で理解することの大切さを理解したにも関わらず、私は理科の参考書を熟読する際に、科学的事象に疑問を持つことができませんでした。 「なんでそうなるの?」「なんでわざわざそんな実験方法するの?」といった疑問は湧き上がらず、「へー、そうなんだ」と思うだけで、科学的事象の結果のみをインプットしていました。

 そこで、国語の評論文を読む際に駆使していた、「だから」「なので」「その意味で」などのディスコースマーカーを応用して、文章中で因果を見つけて結びつけ、理解してインプットしました。 因果で物事を押さえる作法は、何度も言いますが非常に大事であり、それによって知識が思い出せなくても連想で思い出せる、知識がなかなか忘れにくい、学ぶ事が楽しくなる、という副産物を生み、私はそれによって2次学力を大きく伸ばすことができました。

 ※「学問に王道なし」と言われるように、これは自分なりのやり方であってみなさんに合うとは限りませんので、参考程度にして下さい(余談ですが、化学のDoシリーズは筆者が物事の理屈に疑問を呈示し、それを解説していたので、非常に勉強しやすかったです)。


 日本史についても同じことが言えます。たしかに暗記科目であり、割合はそこまで高くはないですが、それでもセンター試験は用語をしっかり理解しているのかを問うている問題が見受けられます。

 例えば、半済令と下地中文。意味と時代を混同しそうですが、過去問を遡ってみると、あらゆる角度からこの言葉の意味をしっかり理解しているかというのをセンター試験は問うています。 定義からその名称を覚える作業に加えて、用語によっては名称から定義までを詳しく説明できるようにする作業が必要です。 後者は労力をかなり要し、他に大量に覚えることがあり時間との戦いにはなるのですが、丸暗記科目であれど、「理」の追求の視点は忘れてはいけません。


 まとめると、言葉を理解して因果関係を押さえる、これが国語と理科と日本史に関して、私がGLS予備校で学んだ「理」の追求ではないかと思っています。


A 英語と古文

 文系科目とは言われていますが、ここでも「理」の追求が私には欠けていました。 先生に「感覚でやることにはブレが生まれるが、理論で確立させたものはどんなことがあっても崩れない」と入塾当初に力説され、大変納得したことを覚えています。

 私は、これまで他言語を読む際に、意味を単純に当てはめながら字面を追って読解するというように、感覚的な読み方で英語を読解していました。 これが学力にブレがあった原因でした。

 では、理論的に英語を読み解くとはどういうことか? それは、日本語を駆使して英語を読み解くということです。 つまり、品詞を理解して読解するということです。

 例えば、「この文の動詞について説明して?」という質問に対して、まず、助動詞がついている動詞は必ず、述語動詞、その他の動詞は述語動詞にはならず、副詞節内の動詞、名詞節内の動詞、分詞のかたちで他の語を修飾している準動詞、などのように、日本語を駆使して、理論的に英文を説明するのです。

 英語は文の骨格がたったの5つしかなく、それにそぐわないものは必ず、形容詞節、名詞節、副詞節というかたちで文や語を修飾しているにすぎません。 ですから、どんな英文も品詞による文法規則で説明できないことはありません。

 こういうことを意識していくことで、英作文を書く際に、自動詞や他動詞を混同したり、副詞と接続詞を混同したりとメチャクチャな英文を書くことが非常に少なくなりました。


 また、私は記述型試験での空所補充問題で高い得点率をキープしていました。 その理由もこの勉強の作法に起因していて、私は、一つの単語に対して他動詞ならこの意味、自動詞ならこの意味、名詞ならこの意味、など明確に区別して覚えていました。

 そして、単語の復習では、前置詞の後にあるから必ず名詞、名詞だから名詞の意味はこれ、などのように長文中での単語の品詞を理解し、その役割上での意味を思い出すというふうに、頭を働かせながら単語の復習をしていました。 これが空所補充問題で絶大な力を発揮し、高い得点率をキープ出来た理由です。


 まとめると、品詞を理解して理論的に英文を読み解くことが英語の「理」の追求であり、古文にも同じことが言え、これが英語と古文に関して、GLSで予備校で学んだことのひとつです。


B 数学

 数学は「理」とは一切切り離すことができず、当たり前すぎて特に特筆することはないですが、受験勉強中に気づいた勉強の工夫について記したいと思います。

 まず、私は数学の問題に対してある一定のレベル以上になると手も足も出なくなりました。 年間を通して先生と原因追求を重ねてきましたが、最終的には、可能性ある解法の選択肢をいくつもあげ、検討するという思考方法ができていなかったのが原因だとわかりました。 これを発見するのが遅かったことが大変悔やまれますが、時間のあるみなさんは早くからこれを意識して勉強してほしいです。

 これに起因して勉強の仕方ですが、解けなかった問題は問題の本質部分を一般化して付箋紙に書き俯瞰できるようにして、復習する時は前の問題でのストックも連想しながら、これとこれとこれが使えそうだなと軽く流し読みする勉強の仕方が自分の中で効率的であったので、参考にしてください。

 最後にもう一つ、ミスパターンも知識だと思います。 私は白紙プリントに問題を解いて捨ててましたが、初見の問題はノートに解いて、うっかりミスはとっておき、試験中にこのパターンの計算で前に凡ミスしたと思い出せるぐらいにしておくと、ミスは減るのではないかと思います。


C 日常生活

 私はセンター試験で78%しかとれませんでした。この究極の原因は日常生活に起因していて、物事の客観的な視点が非常に不足していたからでした。 先生にも、年間を通して日常生活における客観性を高めるようにずっと言われ続けてました。

 例えば、他人が何を思っているのか100%言い当てることは不可能なのに、少ない情報で相手の思っていることを推測し、判断してしまうところがありました。 こういう短絡的な思考が国語や英語においてどっちか迷う選択肢で決めきれない、また浅はかに選択肢を選ぶ、という結果を生み、マーク型模試でもブレブレの安定しない状態を生み出すことになりました。

 そこで、日常生活から自己の判断に客観性を持たせるために、裁判官並みに常に明確な証拠がない限りは疑いの姿勢を崩さないようにしつつ、自分の思考を紙に書き出し、俯瞰して論理の飛躍がないか確認するという作業をしていました。 これはセンター試験対策に限らず、色んなことに応用できます。

 例えば、思考を紙に書き出すという作業は、バックグラウンドに自信がないために起きてしまう思考の論理の飛躍、例えば模試や過去問を解いた時に「この問題が解けなかったから自分には才能がないのではないか」と短絡的に考えてしまうのを防ぐことができ、また気分の浮き沈みも少なくなります。

 私は先生にこれを教授され、色んなことに活用しました。


D 入試結果(全て医学部医学科)

センター試験 78%
熊本大学 合格
久留米大学 正規合格
東海大学 正規合格
岩手医科大学 正規合格
金沢医科大学 繰り上げ合格
聖マリアンナ医科大学 繰り上げ合格
東邦大学 補欠
愛知医科大学 2次補欠
北里大学 2次棄権

E 最後に

 最後になりましたが、原田先生には本当に感謝しています。 成績が頭打ちになって「もう医学部進学は無理ではないか」と諦めようと思った時にGLS予備校に出会い、医師への道を切り開いていただき、また本命である国立にまで進学することができました。 GLS予備校で教わったことは一生の財産です。

 これから続く大学の試験、そして卒試、国試、共にストレートで合格できるよう、学んだ事を無にしないようにしていきます。 年数も人より多く重ね、手間のかかる生徒であったかと思います。 それでも、最後まで一緒に入試を戦ってくれて本当に感謝しています。一年間本当にありがとうございました。