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合格体験記 九州大学歯学部 N君(ラ・サール高校)

1.初めに

 この合格体験記では、自分が現役時から3浪の末、合格するまでやってきたこと、学んだこと、思ったことを書いています。 長文になってしまいましたが、少しでも役立てていただければうれしいです。


2.GLS予備校に入塾するまで

 現役時代は、授業の進度について行くことで精一杯だったため、基本に立ち戻って苦手部分をつぶすことに集中して取り組むことができず、さらには間違った勉強法から、新しく身に付けた知識も覚えてはすぐ忘れて、を繰り返していたため、テストの結果はいつもボロボロでした。

 1浪目は、大手予備校に入り、現役時代に取り組むことができなかった苦手分野の克服に取り組みました。徐々に基本問題は解けるようになりましたが、その知識を応用問題に生かすことができずに、模試の結果は現役の時と比べてあまり変わりませんでした。現役時代と違って、自分のために時間を割くことができているにもかかわらず結果が出ない状況に対して、自分の勉強法が間違っているのではないかと思い悩み、予備校の先生や友達からアドバイスを受けた学習法を取り入れましたが、それでも成果につながらず1浪目も志望校は不合格となりました。

 2浪することが決まって、どうすればいいか悩んでいる時に、家に偶然あった先生の著書「親と子の最新大学情報受験講座 理系編」をきっかけに、GLS予備校の存在を知り、自分の正しい学習法を確立させるという思いで、GLS予備校へ入塾することを決意しました。


3.GLS予備校で身に付けた学習の作法

 自分は2年間GLS予備校に在籍していましたが、その中で先生から今まで自分が気づくことができなかった大事なことを多く学びました。全て書くと文章の量が膨大になってしまうので、どの科目にも応用できる特に大切なことを2つ書きたいと思います。


<1>正しい教科書、参考書の理解法

 昔の自分は、教科書、参考書を読んだつもりになっていました。というのも昔はわからないことがあっても立ち止まって考えることなく、無意識に読み飛ばして最後の結果だけ丸暗記していました。これを防ぐための方法として、わからない部分があったら、「つまりどういうことか」、「なぜそうなるのか」と徹底的に自分にツッコミを入れて、それに対し自分で答え、わからなければもう一度調べたり、先生に質問したりという作業を行うことで、無意識に読み飛ばすと言う状況を防ぐことができ、それが真の理解につながりました。

 自分は、教科書、参考書の内容が正しく習得できているか先生の質問に対し答えていくという作業でこの方法を身に付けました。最初は自分の中では自信があっても、いざ先生に質問されると説明することが出来ないことが多々ありましたが、最終的には先生の質問にすぐ答えることができるようになり、その結果応用問題にも学んだ知識を適用することができるようになり、解けるようになったことを実感しました。


<2>正しい復習方法

 正しい復習方法において重要なのは「自己分析」です。間違えた問題に対して、解説書を読んで納得することだけが復習ではありません。大事なのは、自分が答えを導き出すまでの思考プロセスに注目して悪い部分を見つけ、それに対する改善策を考えることです。

 具体的には、第一に「なぜ間違ってしまったのか」を考えることです。ただ注意して欲しいのはケアレスミスとして簡単に片付けてしまわないことです。ケアレスミスでも「何が原因でケアレスミスをしてしまったか」を考えることが重要です。第二に「今後間違えないためにどうすれば良いか」を考えることです。ここでも注意して欲しいのは「気をつける」「頑張る」といった抽象的なものではなく、「こういう部分に気をつけるため、このような方法で解く」といった具体的な行動を考えることが必要です。


4.各科目の勉強法

<国語>

 この教科には1番苦しめられました。GLS予備校に入塾する前は、センター試験はよくても半分いくかいかないかと言う惨憺たる状況でした。しかし最終的には、本番では約7割5分得点することができ、自己ベストを記録することができました。国語が本当に苦手な人に参考にしてもらいたいです。得意な人は軽く読んでもらう程度で結構です。


・現代文

 自分は評論文を読む際、一文一文の内容を理解することに集中してしまい、結局全体で何を言いたいのかが掴むことができませんでした。そのため先生から使用するように指示されていた参考書「入試現代文へのアクセス」を復習する際、各段落が他の段落とどのような関係性を有しているのか、具体説明、理由説明、内容説明と言う3つのカテゴリーに分けて図式化し、全体の文章構成が一目でわかるようにしました。その結果徐々に文章をカタマリとして読むことができ、全体の趣旨を容易につかめることができるようになりました。

 小説文はすぐに感情移入してしまい、根拠なしに選択肢を選んでしまうことが問題でした。そのため登場人物の感情がわかる一文を見つけたら、その感情が起こった<理由>とその感情を起こしたことによるその後の<行動>を示す部分に棒線を引くことで根拠を持って選択肢を切ることができ、間違っているのに一見正しそうな選択肢を選ぶことが少なくなりました。

 この作業を通じてセンター試験の過去問を数年解いてみると、時間内に解答することができるようになり、選択肢を2択までは根拠を持って切ることができるようになりましたが、残った2択の選択肢の正誤判定が難しく点数が安定しませんでした。そのため、最初は時間を気にせずに、自分が正しいと思った選択肢を選んでいくまでのプロセスを忘れないように紙に書き出しながら解いていき、解き終わったらそれを解答と見比べるという作業後、前述した「自己分析」を行って自分が選択肢を切る際の悪いクセを見つけ、今後悪い癖が出ないためにはどうすれば良いのかを考えました。

 「自己分析」を行っても、モヤモヤすることがあった場合は、先生に相談していました。先生からはいつもハッと気付かされる有効なフィードバックをいただくことができ、それを自分の方法に組み込んでいくことで次第にセンター試験独特の選択肢の切り方に慣れていきました。


・古文/漢文

 古文と漢文は、まず古文は文法と単語、漢文は句形をしっかりと頭に入れました。古文単語の覚え方に関して、自分は単語ごとの共通イメージを一言で表す工夫をしていました。古文単語の中には複数の意味を持つものもあり、試験本番中にどれに当てはまるかを選択することに迷っていては時間がなくなります。古語辞典の語感が書いてある部分を見ると単語の全体イメージをつかむことができると思います。それを一言で表せないか考えます。例えば「むつかし」→「イライラ」、「あかず」→「不充分」と言うように自分は頭に入れていました。もちろん一つ一つの現代語訳も覚えましたが、単語の全体のイメージを一言にして覚えておくことで覚える負担を少なくすることができ、訳す速度も格段に速くなりました。

 それからセンター古文漢文を解く際、自分は文全体の内容を最初から完璧に掴みに行こうとしないよう注意していました。どんなに基本知識を入れていてもどうしてもわからない部分は出てきます。ときには訳せない部分が多くて戸惑うこともありましたが、しっかりと訳せる部分を根拠にして選択肢を切っていけば正解を導き出すことができました。最初はわからない部分があるにもかかわらず解くことに不安を感じるかもしれませんが、その様に選択肢を切っていき、問題を解き進めていくにつれて文全体の内容はだんだんとわかってきます。


<数学>

 入塾前の成績は、センター試験は得点源でしたが、二次試験になると全く太刀打ちできませんでした。「チャート式」や「1対1対応の数学」を何度も繰り返し解いていましたが、模試の初見問題に対して学んだ知識を適用させることができませんでした。原因は参考書を解く際、答えを導出することが目的になり発想を身に付けると言う意識が足りておらず、解き方をただ丸暗記しているだけだったからだと分かりました。

 解決案として、「なぜそのような発想に至ったのか」と自問して、その根拠を明らかにし、「こういう問題にはこういう解法を用いる」と言う発想のストックを貯めていくことで、初見の問題にも対応することができるようになりました。感覚で高得点を取れてしまう人たちも一部いますが、自分は二次試験に関して数学はできなかったので、理詰めで一つずつこなしていきました。時間がかかる作業ではありますが、初見の問題が解けるようになったときの感覚は最高です。


<物理>

 物理も数学と同じく、「こういう問題にはこういう解法を用いる」という発想のストックを貯めていくことで応用問題にも対応することができるようになりました。物理は数学よりもインプットの量が少ないので、この作業は数学よりは簡単にできました。そのかわり物理は、インプットの質をかなり深めておかないと全く問題は解けません。そのため、基礎となる原理や公式についてどのように導出するのか、どのような背景で成り立つのかをきちんと説明できなければなりません。物理は最初の基礎習得の部分を深く丁寧に学ぶ必要がありますが、それができれば、応用問題は必ず解けるようになります。


<化学>

 化学も物理と同様に原理や公式を深く理解しておく必要があります。化学は暗記量が多い科目ですが、しっかり原理原則を理解しておけば覚える負担を減らすことができ、だんだん知識問題は落とさないようになりました。しかし自分はすぐ応用問題ができるようになったわけではありませんでした。というのも化学は物理に比べ、応用問題において条件整理したものをどういう順番で使っていくのかがパターン化できずに苦労しました。そのため、特にパターン化できない分野に関しては「全国大学入試問題正解」という多数の大学の過去問が掲載された参考書を使って、場数を踏みました。地道な作業でしたが、各分野30題ずつやるとだんだん自信がついてきて、対応できる問題も増えていきました。


<英語>

 英語も本当に苦労した科目ですが、一番成績が伸びた科目でもあります。単語や文法は、時間をかけることでできるようになりましたが、長文読解と自由英作文には最後まで悩まされました。だから特に苦手だった長文読解と自由英作文の自分の勉強法を書こうと思います。


・長文読解

 国語と同様、最初は文全体の趣旨をつかむことができませんでした。原因は英文の構造把握に時間がかかっていて、全体を見ることまで意識が回らなかったことです。そのため参考書「入門英文解釈の技術70」を使用して、「前置詞+名詞のカタマリはカッコでくくる」、「1つの節に動詞は1つ」といった英文解釈のルールを身に付けた後、過去問演習を続けていった結果、1単語1単語を必死に訳していた感じから、5?6語のカタマリごとに大事なところは正確にそれほど大事なところでない所はざっと読むと言う強弱をつけながら読むことができるようになりました。


・自由英作文

 できていない時は全くアイディアを出せず、出せたとしても字数が足りず時間切れになっていました。原因は社会に広まっている一般論を無理に書こうとして、難しく考えてしまっていたからだとわかりました。代わりに自分自身の過去の体験で同じ経験をしたことがなかったか照らし合わせることで考えやすくなり、具体的に書くことができてすぐに字数を埋めることもできるようになりました。仮に自分が経験したことがなかったとしても、「自分ならどうするだろうか」とこの場合も自分をベースに考えるとうまくいきます。


<地理>

 地理は知識の詰め込みに関しては、系統地理、地誌それぞれ全体の知識を網羅している参考書を1冊ずつ選び、分野ごとに何も見ずに語れるくらいまでやりこんでおけばセンターレベルは充分だと思います。後はセンター試験で出てくる表、グラフ、資料の読み取り問題ですが、これは過去問をといて解き方を身に付けていくしかないと思います。自分は自分が持っている知識で無理矢理解こうとしないよう注意していました。代わりに急いで答えを出そうとせずに、まずは明らかな特徴を落ち着いて探すことで出題者が何を基準にして選択肢を選ばせようとしているのかを汲み取るように努めていました。


5.最後に

 自分がこの2年間のGLS予備校の生活の中で、先生から様々な面でとても大切なことを学ばせていただきました。勉強面では高校入学前までは苦手なことはあったものの得意なことでカバーすることができていたため、そこまで困る事はなかったですが、高校入学後初めて壁にぶつかり、2年間のGLS予備校の生活の中で初めて自分のできない部分に正しい方法で真正面から向き合い、克服できたことで自分に自信を持つことができました。

 精神面では、昔はテスト本番でパニックを起こしてミスを乱発したり、やらなければならない勉強があるにもかかわらずやりたい勉強をやったりといった自己満足な勉強をしていましたが、「自己分析」を通して自分の性格を客観的に見ることができるようになった結果、自分の感情を理性で自制することができるようになりました。これらの学んだ事は、今後の自分の人生を切り開いていく際にも役立っていくものだと思います。

 自分は理解することに時間がかかる性格でしたが、その際にも時間をかけてわかりやすく何度も丁寧にご指導いただいたことに感謝しています。2年間本当にありがとうございました。