私がGLS予備校に入塾させていただいたのは高校3年生の4月でした。中学3年生ごろから医学部を本気で目指すようになり、高1・2年生では大手集団指導塾に通っていました。 それまでの私は、勉強量はきちんとこなしていたと思うのですが、模範解答や公式を何も考えずに一対一的に丸暗記しているような学習状況だったため、高2の後半ごろから日本史のマーク模試や理科の模試が実施されるようになると自分の勉強量と成績が比例しなくなりました。
自分でもその原因が分からず悩んでいたところ、偶然GLS予備校を紹介していただきました。 入塾前に先輩方の合格体験記を読んで、自分がこれまで全く考えることなく勉強をしてきたのだということに初めて気づき、目が覚めたような気がしました。 この合格体験記を通して、私も先輩方と同じように少しでも皆様の役に立つことができたら嬉しいです。
この一年間、私にとっての一番の課題は「自分で考える力を身に付ける」ということでした。各教科どのようなことに取り組んだかを紹介します。
【国語・英語】
現代文と英語は、マーク模試で基本的には点数が取れていたので優先順位が低く、特に問題集等には取り組みませんでした。 古文については、文法事項を覚えてはいるものの実際に文章を読むときにそれを使って論理的に解釈をすることが出来ていなかったのでその練習をしました。
古文の解釈は、まず品詞分解をし、注目する品詞それ自体あるいは前後の活用を確認し、この品詞のこの活用はこの意味だからというように文法事項を適用して複数ある意味を絞り込むことで行います。 このように文脈に頼るのではなく論理的な解釈をする頭の使い方を身に着けると、難しい文章や和歌にも対応できるようになりました。 また、同じ頭の使い方で漢文も句形を使って論理的に解釈することが出来るようになりました。
【日本史】
日本史は一対一的な丸暗記の勉強の仕方しかしていなかったので、一問一答型の問題では点数が取れるがマーク模試のように隅々まで知識が入っていないと解けない問題には全く対応できないというのが入塾前の状況でした。
先生から、日本史の教科書の内容を細かい知識も含めて自分ですべて説明できるような暗記の状態を作るようにというご指導を受けました。 国内・海外情勢によりその人物がどう動くのかということを教科書を読みこんでよく理解することで、歴史の流れを論理的に考え、丸暗記よりはるかに簡単に説明できるようになります。 また、単発的な知識についてもしっかりと説明できるようにしておくことで内容を問う問題に対応できるようになります。
日本史は先生に説明をするという形のテストをしていただいていましたが、説明が少しでもあいまいな部分はすべて指摘していただき、自分でも気づいていなかった理解の抜けを確実に埋めていくことが出来ました。
【物理・化学・数学】
入塾当初一番出来ていなかったのが物理でした。 それまでは公式を丸暗記して代入するような問題の解き方をしていたので、適当に代入してみたら何となくあっていたというようなふわふわした感覚で物理を解いていて、初見の問題設定などに全く対応できない状態でした。
先生は、公式や現象を覚える際にそれがどういう原理でなぜ成り立つのかを徹底的に追求し、説明できるようになるまで取り組むようにと指導してくださいました。
原理や仕組みを理解し、それを式の形に表すという頭の使い方を身に着けたことで、「この問題は結局こういうことを言っていて、この条件下ではこの法則が成り立つから、この公式を使って解く」という論理的な解き方が出来るようになりました。 また、難しい問題や初見の問題設定も自分の持てる基本的な知識を活用して乗り越えていけるようになりました。
この頭の使い方は理論化学や数学にも当てはまります。数学では、これに加えて、出来る人がどういう頭の使い方をしているのかを考える視点を持つようにと先生からご指導がありました。 この考え方をすることで、解法を何パターンか思い浮かべて検討し、よりうまく解ける方法を選択できるようになりました。
【全教科で共通して取り組んだこと】
全教科で共通していたことは、「なぜ自分が間違ったのかを考える」ということです。入塾以前の私は問題を解いて間違っても、解答を読んで「へー、そうなんだ。」と思って模範解答を暗記していました。この方法で勉強すると、少し違う考え方で解かなければならない問題も問題文をぱっと読んだだけで同じ解き方を当てはめてしまったり、同じ考え方を利用する応用問題に全く対応できなかったりします。 そして、暗記に要する時間と労力の割に忘れてしまいやすいので非常に効率が悪いのです。
先生は、なぜ自分が間違ったのか、次にこの考え方を使う時に絶対に解けるようにするにはどうすればいいのかを徹底的に追求するように指導してくださいました。 このように追求することで自分の抜けや理解不足がはっきりしますし、「へー、そうなんだ。」と受け身でやり直しをする場合の何倍も記憶に残ります。 そして、徹底的に追求することでその教科の理論的な部分での理解不足を超えて、自分の頭の使い方の弱点が見えてくるという経験もしました。
具体的には、物理の電磁気について、理論は分かっているのにうまく解けずに悩んでいた時、先生が私のそれまでの間違いの傾向から時間変化に弱いということを指摘してくださったことがありました。 時間変化を考えるということにしっかりと向き合って取り組むことで電磁気の苦手が改善しました。 そして、国語で登場人物の時間的変化をぐちゃぐちゃに把握してしまって問題が解けなかった時、自分の時間変化に関する弱点が様々な場面で出ているんだということを強く感じ、先生がおっしゃっていたことが理解できた気がしました。
このように、各教科、そして全教科共通の学習を通して、正しい頭の使い方を身に着けることが出来たと思います。 各教科、式の形であったり、歴史であったり、文章であったりと表現の形は違いますが、結局はある物事の仕組みを隅々までしっかりと理解し、身に着けて、使えるように準備したうえで、問題になっていることがどういう原因で起こっているのか、どういう状況なのかを分析し、それに対して自分の知識を適用することで解決するという流れにすべて沿っているのではないかと思うようになりました。 そして、これは受験勉強だけでなく、大学での勉強、仕事を通じての社会貢献にも当てはまるような気がします。
「なぜそうなるのか」ということを徹底的に考えるという力は、勉強以外にも様々な場面で役に立ちました。 推薦入試の自己推薦書作成や面接準備では、自分がなぜ医師になりたいのか、医療の様々な問題についてなぜそう考えるようになったのかを先生のご指導の下、突き詰めて考えることで内容の濃いものが完成したと感じました。 また、自分の感じ方や行動がなぜそうなるのかということを現状や過去の経験などから論理的に判断し、自分の中での答えのようなものが見つかったと感じる機会もこの一年間で多々ありました。
GLS予備校に入塾して、非常にレベルの高い塾生の方々からたくさんの刺激を受けて受験勉強に取り組むことが出来たこと、そして原田先生から一生ものの正しい頭の使い方を教えていただくことが出来たことにとても感謝しています。
先生に出された課題を言われた通りの考え方でこなしていくことだけに集中することで、入塾前の状態では考えられなかった、勉強した分だけ結果がついてくるという経験をすることが出来ました。また、本番直前の不安な時期も先生が示して下さった道を信じてとにかく課題だけに集中すれば必ず結果が出るはずだしこれで落ちても後悔しない、という強い気持ちでブレずに進み続けることができました。
「なぜそうなるのかを徹底的に考える」ということを17年間したことがなかった私にとって、間違った問題の分析や論理的に問題を解くということは、はじめは本当に頭痛がするほど難しかったです。 ですが、真剣に取り組んだことに対してどんな時も熱心にご指導いただいたおかげで、この一年間は人生で一番成長した一年になりました。 原田先生には感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。