塾 予備校 大学受験 福岡
合格体験記 佐賀大学医学部医学科 Sさん(福岡雙葉高校)

 時系列に沿って私がやってきたこと、体験したこと、先生に言われたことを書こうと思います。こんな生徒もいたんだなという程度に読んでもらえたら幸いです。


<中学三年生>

 私は中学三年生のときにGLS予備校に入塾しました。将来の夢はまだはっきり決まっておらず、学校の定期テストの前だけ勉強するというスタイルでした。 先生と面談をして話し合い、理系で人と関わる機会の多い学部ということで、とりあえず志望学部を医学部に決めました。 中3の頃から医学部に行くという目標を持つことができたのは良かったと思います。


<高校一年生>

 高1の夏に、佐賀大、慶應、早稲田、東大のオープンキャンパスに行き、学部をよく考える機会を両親が作ってくれて、理系のすべての学部のお話を聞いてやっぱり医学部がいいと確信しました。 医師体験に可能な限り参加したことも医学部を目指すという志を強くする上で良い経験になりました。


<自分の性格を知ること>

 この頃から、私の性格面で先生に注意をされ始めたような気がします。

 「医学部志望の生徒の中であなたみたいにやる気や情熱が感じられない人はいませんよ」 「本気で勉強してますか?本当にやってる人はクラスの中で自分が一番勉強してると断言できますよ。あなたは言えますか?」などということを言われたように思います。

 先生の注意にハッとして納得することもありましたが、自分ではやってるつもりなのにと感じてしまうことも正直ありました。 ただ、それは私が相当自分に甘い性格であるということを理解していなかったからでした。


 やりたいことをやりたいときにする。部活や習い事など気持ちが入ると思い切り打ち込む。 頭では毎日決めた課題をやろうと思っていても、その時の気分次第でやったりやらなかったりを繰り返していました。 夏休みの最終日に面倒な課題だけが残っているタイプです。

 勉強の計画を立てても、その計画どおりには決していかず、必ずノルマを達成しようという気持ちが弱かったです。 計画上では英語を進めないといけないけれど、英語をする気分じゃないから数学をしたいなと思ったり、気分が乗らない勉強はほとんど手につかなかったり。


 先生に、「あなたは感情で動きすぎるから、理性的なもうひとりの自分を意識しなさい」と言われたことがあります。先生が指摘してくださるまで、私は感情で動くという自分の性格を全く理解していませんでした。 実際にだらしない人間であることは事実ですが、やるべき課題をこなせなかったごとに、「あーあ、またできなかった。本当に自分はダメだな」と自己嫌悪に陥りました。 自分の性格を知らずに受験勉強を続けるのは苦しいし、効率が悪いと思います。

 自分の性格が分かれば自分に合った勉強法を見つけやすくなり、自己分析がしやすくなります。 私の性格や考え方の問題点を指摘してくださった先生には感謝の気持ちでいっぱいです。 他の塾では勉強法や解法を教えてくれる先生はいても、自分の性格にダメ出しをしてくださる先生はいないと思うので…。


<高校二年生>

 高校二年生の4月から勉強ノートを作りました。これまで、ことごとく継続することに失敗してきた私でしたが、この勉強ノートは高3の最後まで愛用することができました。 週一で塾に通っていたので、次の授業がある日までにやるべき課題を問題集の番号ごとに細かく書いておいて、終わったものから斜線で消すというやり方をとり、何が何でもこの一週間で終わらせるという決意を固く持つようにしました。 一週間という余裕を持たせて、できるだけ細かく書き出し、どれだけ達成できたかを視覚化したことが私の性格に合っていたのではないかと思います。

 5月には、自治医科大学の医療系の小論文コンテストに参加しました。「十年後の地域医療への贈り物」というテーマで、地域医療について本気で調べて自分なりの考えを持てるようになりました。 また、在宅医療の現場を見て感動し、自分の理想の医師像が明確になったことで、医学部を目指す決意がようやく固まりました。 このコンテストに自ら参加したことが私にとっての大きな転換点だったと感じています。


<高校三年生>

 高2から高3になる頃、毎週のように先生に注意を受けて塾で泣いてしまった記憶があります。 注意を受けたというか、先生に自分の足りないところを気付かされて、自分の不甲斐なさと悔しさと受験への不安で涙が出てしまうというような感じです。 きつい言葉で怒られた訳ではないですよ(笑)。

 私の最大の課題は意識や性格でした。もちろん成績が足りているという意味ではなく、成績にも意識の低さや性格が影響しているという意味です。 ミスが多すぎる、これくらいで大丈夫だろうと思って詰めが甘い、などです。

 先生が「あなたは自分を変えれば受かる」「受験を利用してなりたい自分になればいい」と励ましてくださったので、自分の嫌なところを克服することが現役合格とともにこの受験の目標になりました。 自分を変えることはとても難しいです。受験を終えて振り返ってみても、自分の嫌のところを克服できたとは思いません。 でも、少しくらいは自分をコントロールできるようになったと思っています。


性格の話ばかりになってしまったので、ここで勉強の話を入れようと思います。

<分からないところを放置しない>

 私が今までの勉強で自信を持って言えることは、分からない問題を決してそのままにしなかったということです。 分からない問題があれば学校や塾で必ず解決していました。 問題集の解答を見て、なんとなく分かるけど…という曖昧な手応えなら、質問したほうがいいと思います。 自分が気づいていない抜けや理解不足が存在していたということは意外とよくあります。(私の場合だけかもしれませんが)


<暗記が苦手>

 私は暗記が苦手です。理屈を考えて理解すれば、覚える量を減らすことができるから、いかにして覚える量を減らせるかということばかり考えてきました。 自分で覚えられる容量を広げる努力をしてこなかったことと、最初の理解をするのにかなりの時間が必要になってきたために、高2の頃には覚える作業が追いつかなくなってしまいました。

 定期テストの度にすべての疑問をつぶしてメモして理解しても、それを忘れてしまうということの繰り返しでした。 理解する作業の手を抜くことはできないので、もっと覚えるのが得意だったらいいのにと感じていました。


 先生に相談すると、それは量が足りていないからだと指摘されました。確かに暗記ができないのなら人の何倍も量をこなすつもりで勉強しないと間に合いません。 苦手を嘆くのではなく、どうやってその苦手を埋めるかを考えなければ意味がないという当たり前のことに気付かされました。

 暗記が中心になる日本史は本当に苦労しました。センター前はひたすら語呂合わせとオリジナルな覚え方をノートにメモして、それを何度も読み返しました。 これが正しい勉強法だとは思いませんが、私はこうして覚えるのが一番忘れにくかったのでこの方法をとりました。


<毎日塾に自習に行く>

 私は家で勉強がどうしてもはかどらなかったので、毎日塾に自習に来ていました。休みの日も一日中塾にいました。 自習に来ると、勉強するしかない環境に身を置くことができるというメリットがありますが、GLS予備校ではたとえ耳栓をしていても授業の会話が気になってしまうという私にとってのデメリットもありました。

 「集中していたら周りの音が聞こえなくなるはず」と先生から言われていましたが、私には丸聞こえで鍛錬の日々でした。 先生との会話が耳に入ってくるとどうしても気になってしまって、自分と周りを比べてしまい、何度も落ち込んで最後の最後まで大変な思いをしました。

 でも、この過酷な環境の中でも耐えながら勉強し続けたことは、無意識のうちに多少のことでは動じない強いメンタルを作り上げるのに役立っていました。 普段から話し声がして他の人の成績がなんとなく分かってしまうような環境で勉強していたから、本番で雑音が気になり、周りの受験生に過剰に気後れすることがなかったのだと思います。


<ミスをなくすために>

 私はミスが多く、いつもテストで後悔が残る結果に終わっていました。筆算、符号ミス、書き写し間違い、など初歩的なものが多かったです。 本番でこんなミスをして落ちたら一生後悔するだろうなと思うと怖くて、ミスを減らすことが大きな目標の一つでした。 なぜミスをするのかよく考えるよう繰り返し指摘され、まずは模試でやらかしたミスの原因とその解決策を書いてまとめるやり直しノートを作りました。 日々の問題集の演習ノートにも、ミスをしたらその原因と解決策を必ずオレンジペンで書くようにしていました。

 私の場合は、「あと一行この計算式を書いておけばよかった」、「単位円を書いて確かめればよかった」、化学では「今自分が立てた式の意味を言葉で書き加えたほうがいい」というような手を動かせば済む解決策が多かったです。 途中でミスして、そのまま解き進めて後から異変に気づいて引き返すよりも、最初から焦ってミスをしないようにゆっくり気をつけながら解いたほうが早いという経験を何度もするうちに、適度な慎重さと手を動かす癖を身につけることができたので、ミスを減らすことができたと感じています。


<最後に>

 志望校に合格できたこと、これから医学生としての生活が始まることがとても嬉しいです。GLS予備校で学んだことは勉強以外にもたくさんあります。 ここでの学びと医師を志した初心を忘れず、良き医師になれるよう頑張ります。原田先生、本当にありがとうございました。