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合格体験記 自治医科大学校医学部 S君(青雲高校)

はじめに  

 合格体験記を書くことは、私の一つの目標だったので、今回書けることをとてもうれしく思います。 少しでも皆さんの役に立てればと思います。私がみなさんにお伝えしたい事を、次の5つにまとめました。


1、現役の時の失敗、そして成功した友人たち

2、GLS予備校で学んだこと

3、浪人について

4、各科目へのアプローチの仕方

5、最後に


1、現役の時の失敗、そして成功した友人たち

 私は現役の時に数々の失敗をしてきました。みなさんに自分と同じ失敗をしてもらいたくないので、合格体験記の中に敢えて入れました。


 私は高一の時に、通っていた高校の定期テストがほぼほぼ暗記勝負だったことから、定期テストを軽視し始めました。 とは言っても、勉強自体をしていなかった訳ではなく、模試でいい成績を取るために、社会、理科を捨てて、模試に向けた英語、数学、国語を猛勉強していました。

そのおかげで、高一、高二の初めの時の模試の成績はかなり良く、九医A、理三Cという判定がいつも取れていました。

 しかし、理科の勉強を全くやっていなかったので、模試に理科が入ってきたことで模試の成績はみるみる下がり、さらに数学の定期テストの勉強も怠っていたので、定義などもうろ覚えで、本質的な内容を問われる問題には太刀打ちできず、数学の成績も大きく下がりました。 結局、高三の模試の判定は、九医は殆どD、E判定で、判定の出やすい河合の九大オープンで一度C判定がでただけでした。

 定期テストは確かに暗記ですが、進度にあわせて単元を仕上げるという意味で大切です。 また、定期テストに本気で取り組むことで、実力通りの点を取る練習もできます。

 私は、浪人してから実力を出す(つまり自分の力をミスなく100%発揮する)ことができず苦労しました。 難関大では、ミスが命取りです。ミスで合否が変わることはザラにあります。 実際に、定期をガチでやってた友人は共通テストで、みんな妥当な点を取っていました。 共通テストが終わった後、初めて定期テストを軽視したことを後悔しました(彼らは2次でもちゃんと実力を発揮し、現役で受かっていきました…)。

 さらに私は、上記の通り、高三で成績が下がった時に、独りよがりの勉強になってしまいました。 世の中で謳われている数ある勉強法の中から、自分で主観的にいいと思ったものを取り入れて実践しました。 友人からの助言は無視して、「自分のやり方を信じる!」「俺は自力で受かってみせる!」という謎のモットーのもとで猛勉しました(意外とこういう考えを抱いているひとはいるのでは?そういう時はおそらく焦って周りが見えておらず、危険かもしれません。良い友人は自分が主観に陥った時に客観的な助言を与えてくれます)。

 その上、勉強時間を増やすことだけに囚われ、息抜きなどを全くせず、ずっと脳死状態で勉強していました。 私は高校時代寮に入っていましたが、高3の時は、月1度の散髪だけ外出し、それ以外は寮に引きこもって勉強していました。

 以上の結果、成績は頭打ちになりました。 


 具体的に自分がやっていたやばい勉強法を紹介しておきます。

 自分はinputにこだわりすぎました。 「inputが完全に仕上がってないのなら、問題演習などでoutputをしても十分な効果は得られないだろう」という理論を勝手に構築し、ずっと教科書内容のinputをやっていました。 outputは直前に九大の過去問演習をやったくらいです。 高三の時の授業は演習がメインでしたが、先ほど述べた理論の下、演習は放棄し、内職して、教科書のinputをやってました。

 さらに、「教科書のinput」という点にも問題はありました。 確かに教科書は内容が充実していますが、個人的には、参考書の方が内容がしっかり整理されていて、わかりやすかったです。 自分は現役の時に、謎の意地を張って、参考書には極力手を出しませんでした。   

 そして、成功していった人たちに関してですが、「学問に王道なし」と言われるように、成功者の本質的な所は共通していると思いました。 「定期の勉強をする」「宿題をきちんと出す」「継続的に勉強する」「生活習慣を整える」「授業中寝ない」などの当たり前のことがこなせる人が成功していくと思います。


 勉強しても成績が上がらなかったので、自分のやり方は間違っているのだろうという意識は現役の頃からありました。 現役では、前期九医一本で特攻し、落ちた後に改めて自分の勉強のやり方が間違っていたことを確信しました。

 浪人するにあたって、自分の勉強法を一から変えるべきだと思い、様々な予備校に説明を聞きに行きましたが、「正しい頭の使い方」を指導してくれて、スケジュールの立て方のサポートをしてくれるということに魅力を感じ、GLS予備校に入学することを決めました。


2、GLS予備校で学んだこと

 私はGLS予備校で正しい勉強のやり方を学ぼうと思い、入学しました。実際、GLS予備校では、将来にも通じる本質的な勉強法を身につけられただけではなく、自分の性格面や、それ以外でのものの考え方というこれからの人生にも役立つ大切なことを学べました。

 まずは、勉強法について述べます。

 私は、高校生の頃、暗記が苦手でした。化学、地理の知識は勉強時間に対して少なく、点数も悪かったです。 教科書を読み込んだり、ひたすらノートにまとめたりしていましたが、全く頭に入ってませんでした。

 GLSに入ると、まずは化学、地理の知識を入れ直すことから始まりました。 高校時代と同様に、読み込みとノートにまとめることで先生のチェックに臨みましたが、撃沈しました。 学習した内容を説明するように求められましたが、頭から全く出てこずに、悔しい思いをしました。 何度もやり直してくるように言われました。これがしばらく続きました。 やはり、自分が頑張って(自分なりにでも)した勉強を否定される(やり直すように言われる)と苦しいです。

 ずっと辛い思いをしていて、何とかして先生の質問に完璧なアンサーを返したいと思い、試行錯誤しました。 この時、「先生から質問される事柄を予め想定して、それに対する答えを用意しておき、答えを口に出して言える状況を作っておけばいい」と思いました。 先生の質問に答える、という機会がぶっつけ本番ではできるわけありません。練習のうちに完璧にしておかないと。

 そこで、学習の際に、参考書をただ読み込むのではなく、先生からどこを聞かれるか、そして、聞かれた時にどう答えるかを考えながら、読み込みました。 先生から聞かれるところが、自分の想定外のところになってしまうといけないので、どこを聞かれても説明できるようにしました。 このやり方で、参考書の内容が頭に定着し、化学、地理などの暗記がメインの教科が驚くほど強くなりました。


 無機化学の学習を例に挙げます。

 授業では、「塩素の製法は?」などと聞かれます。こう聞かれたことを想定して、実際に声に出して答えてみましょう。 参考書で触れられている大切なことが完璧に言えたらOKです。声に出した後、完璧に言えたか確認して、不十分なら完璧に言えるまで繰り返します。 慣れてきたら、流石に聞かれないだろうという程度の質問を想定しましょう。 先程の例は、実験室での気体の製法なので、「実験室での気体の製法について解説してください」というより抽象的な質問を想定します。 そして、参考書で挙げられている製法全てを完璧に言えるまで、仕上げます。

 ここまでやると、先生の質問には、余裕を持って対応できるようになります。「えーっと、、」と詰まることはありません。


 次に、物事に対するアプローチについて述べます。 これは所謂、「分析」です。GLSでは、状況を徹底的に分析するように言われます。 常に「なぜ」という疑問をぶつけ、理詰めで原因などを追求していきます。 これをすることで、曖昧な状況を具体的に把握でき、本質を掴めます。漠然としたもの特有の不安も解消できます。

 例えば、GLSでは模試などの演習の直しの際に、間違えた問題を分析します。

 私が受けた5月の共通テスト模試の英語の場合、普通の直しだと「解ききれなかった←時間不足」ここで終わりますが、GLSでは、「解ききれなかった←時間不足←リスニングを最近していないので、読解のスピードが落ちた」ここまで分析します。 ここまですると、具体的に「リスニングを増やして、読解のスピードを上げる」ことが解決策だとわかります。

 他にも、私が受けた5月の共通テスト模試の国語の場合、「国語の点が悪かった←評論の点が悪く、総合点が下がった←評論の途中で時間切れ←古文で時間を使いすぎた←古文の解釈、音読が不足している」と分析しました。 この場合も、一見現文が戦犯に思われますが、深く原因を追求することで、古文の読解、音読を増やすことが解決策だとわかります。


 テストのやり直し以外でも、この、常に疑問を投げかけ、理詰めで原因などを追求する姿勢は大切です。ここでも一つ例を挙げます。

 私は、有機化学をDOシリーズで学習したときに、内容が全く頭に入らず、辟易しました。 そこで、「なぜ全く内容が頭に入らないのか」ということを考えると、一つの事柄(例えばベンゼンとか)に関する内容が多すぎて、それが何ページにもわたって説明されているからだと思いました。 そこで、その内容の全体像を捉えることで、理解しやすくなると考えました。 そうすると、ベンゼンについての説明は、「1ベンゼンとその安定性→2ベンゼン環が壊れる反応→3置換反応→4配向性」という順番で行われていると分かりました。 さらに、なぜこの順番なのかと考えると、「1ベンゼンは安定→2安定だけど壊れる付加反応もある→3壊れる反応より起こりやすい置換反応について→4置換反応と関係のある配向性」というように、1から4がつながっているからだとわかりました。

 こうして、全体の説明の流れを抑えると、内容が頭に入ってくるようになりました。 このように、行き詰まった時こそ、冷静に状況を分析していくことで、解決するということが多くあります。


  

3、浪人について

 浪人は、私にとって地獄のようなものでした。今まで一緒だった友人たちは、皆大学生です。 SNSなんかで楽しそうにしている様子は、見ていられませんでした。 全落ちのことも何度も頭によぎり、いつ終わるかわからない恐怖にも駆られました。 「人生で一番楽しいはずの18歳を予備校で過ごす」という高校の先生の言葉も何度も思い出しました。 毎日、ストレスのある環境で黙々と勉強だけをし続けるというのも、苦しかったです。 惰性で浪人なんてできないと思います。浪人の辛さに耐えられない上に、周囲の人に迷惑をかける可能性もあります。


 私からは、自分の経験をもとに、浪人生の方々に、恐縮ながらいくつかアドバイスをさせていただきたいと思います。

 まず、睡眠を多くとってください。睡眠を多く摂ることで、モチベも上がります。 勉強している時の雑念も減ります。ゲームやSNSなどの娯楽の時間を作るよりも、可能な限り多くに時間を睡眠に回すべきだと思います。 因みに私は、毎日最低9時間は寝ていました。テスト前日は11時間、2月は毎日10時間30分寝ました。 睡眠を多く摂ることで、自分のコンディションを最高の状態に保ちました。

 次に、「浪人」という大学受験の勉強をする立場を生かしてください。 GLSで学べば伸びます。大きく成績を伸ばし、1年前は手が届かなかった大学に受かるチャンスです。 これは、1年間という長い期間があるからこそできることです。

 そして、目標を明確化してください。 自分が何のためにこれまでやってきたのか、今何のために必死に勉強しているのか。絶対に譲れない理由を持ってください。 これは本当に大切です。大きな理由を持つ人は、最後の最後まで戦えます。

 さらに、不安になった時こそ自己分析をするべきです。悩みが漠然としているときはそれを具体化します。 つまり、なんで悩んでいるのかということを考えます。例えば、「受験」が心配、不安なら、なぜそれが心配、不安なのか考えます。 成績が志望校に足りていないから?浪人していて、去年落ちたことがトラウマになっているから?などと原因を分析します。 これをすることで、悩みの種がわかるので、解決策が得られることもあります。 これでも解決しなければ、自分の分析を念頭に置きながら、他者のアドバイスを聞くと良いと思います。

 最後に、浪人することで、浪人しなければ得られなかったモノを得られる可能性があります。 これは、 GLSで本気で努力すれば得られるモノだと思います。 私は、GLSで学んだことで、先ほど述べた通り、正しい勉強法、思考法を習得しました。 これらはGLSで浪人しなければ決して得られなかったモノです。私は最後には、浪人できて良かったと思えました。


 参考までに、私の浪人生活について大まかに載せておきます。辛くなった時にでも見てください。


 3月:私は、落ちてからすぐに勉強に取り掛かりました。 3月中旬にはすでにGLSで自習していました。この時に、勉強を始められていたのは大きかったと思います。 大手の予備校は大抵4月中旬から始まるので、ここで差をつけようと思ってました。


 4月:5月の初めにある共通テスト模試を一つの目標にして、勉強していきました。


 5月:共通テスト模試で、目標としていた9割に全然届かず、凹みました。 すぐに30日にある駿台模試に意識を変えましたが、この時期は、先が見えず不安に駆られることもありました。


 6月:共通テスト模試、駿台模試が返却され、両方とも九医はB判で、自分のやっていることは正しいと思いました。 ここで良い成績が取れたので、ここから絶対に下げないというモチベーションも生まれました。


 7月:ここまでずっと基礎がためだったので、少ししんどくなっていたが、今が耐えどきで、ここで積み上げた基礎が肝心だと自分に言い聞かせ、勉強し続けました。 そして、ついに九医A判が取れました。


 8月:自分の勉強法、姿勢は問題ないだろうと思いながら今まで通り過ごしていましたが、先生から、8/12に自分の条件反射的な性格を指摘されました。 そこで、自分の今までを振り返り、確かに自分はこの性格のせいで、読み込みが甘くなっていたり、問題に対して先入観が働いたり、など成績の伸びの足枷になっていたと痛感しました。 自分では気づいていなかったことを指摘して頂けました。この自分の性格を常に意識し、克服しようと努力しました。 また8/30にはGLSに卒業生が来校していて、今年受かって来年胸を張ってGLSに来校しようと思いました。

 8月までは、基礎固めが中心だったこともあり、長く感じました。浪人生は、ひとまず夏までを一つの区切りにするといいかもしれません。 9月以降は、模試が増えたことや、過去問などの問題演習が大半だったので、夏までに比べ、時が経つのが早く感じました。


 9月:8月に指摘された性格が出ないように心がけてはいましたが、模試でこの性格が原因となり、大失敗してしまいました。 この時、先生からたくさんのアドバイスを頂けて、克服しようと努力しました。 また、先生から、これからはメンタル面の指導に力を入れると言っていただき、とても心の支えになりました。


 10月:防医の入試が10/23にあり、まずここで一勝しようと思っていたので、少しピリピリしてました。 先生からは、防医では実力を発揮することと、想定外の事態に対応することを意識するように言われていました。 防医の試験では、隣の人と共同の机で、机が非常に揺れて動揺しましたが、先生から言われたことを思い出し、実力は出し切ったと思えました。


 11月:九大受験生にとって一大イベントの九大オープンで大失敗したことや、防医が終わったことで、精神的にキツくなってました。 病みかけました。睡眠を取ったり、高価なスイーツを定期的に摂取することでストレスと上手く付き合いました。


 12月:過去問演習の中で、自分が取れる限界の点数を取るための立ち回りかたで苦戦しました。 また、なかなか過去問演習に身が入らず、先生に相談もしました。 その時、自分は自分で思っている以上に油断をし、本番で失敗したらちゃんとするようになると言われましたが改善できませんでした。 また気が抜けていても得点できるような学力を身につければ良いとも言われました。 それは入試問題を解いて、復習していくことで身につけるべきとも言われましたが、ダメでした。

 また12月後半はパック演習も入りました。パックはそれぞれの難易度がバラバラで、疲れました。 「こんなのでらんやろ」と思う問題も出て、これまでにないくらいのストレスが溜まってました。本当に苦しかったです。 早く受験が終わるように願うことも多々ありました。 コロナも怖くて、開放した窓の前でずっと自習してたら風邪をひきました。

 そんな中でも、先生の、「この一年を振り返った時に、やって良かったと思える後悔のない一年にしよう」という激励の言葉を思い出して、この一年間は二度と味わえない、人生の中でかけがえのない一年だと言い聞かせながら日々過ごしていました。


 1月:共通テストが目前に迫ったこの時期に返却された駿台の共通テスト模試の判定が九医Dで萎えました。これはやばいと思いました。 相変わらずパックでも納得のいく点が出せず、受かる気がしませんでした。 しかし、自分がここで諦めたら今までが無駄になると思い、勉強し続けました。 やりなおしでも、自分の情けなさを痛感し、何度もやめたくなりました。

 そのまま共通テストを迎えました。この時に二つの失敗がありました。 まず、共通テストはパックほどは難しくないだろうと思ってしまったことです。 これにより、共通テストが難化するということが想定外の事態になってしまいました。 そして、自分が極度の緊張状態にあるということに気づいていませんでした。 1日目はあまりの緊張で嘔吐してしまいました。自分の状況を把握できていなかったので自分のベストを発揮できませんでした。

 結局、677/900というワーストの点数を本番で叩き出すことになりました。今までやってきたことは一体何だったのかと嘆きました。 自己採点した日は、疲れていたはずが、ショックで一睡もできませんでした。 ここで、自治医を受験しようと決めました。翌日の授業では先生から励ましてもらいました。 その時自分はすでにフっ切れていて、過去問演習の時には自分でも信じられないくらいの集中力で解いていました。

 先生に言われた通り、本番で失敗して初めてガチになれました。 さらに、自分が物凄く緊張するという自分の心理も把握できました。 共通テストは失敗したが、その失敗を次に活かそうと思ったこともそうなれた一つの要因だと思います。 本気でやった上での失敗は価値があると思いました。


2月:自分の心理を把握し、フっ切れた状態で試験に臨んだことで国際医療福祉、自治医、日医、順天堂すべての一次を次々に突破しました。 (時々油断して嘔吐することもありましたが)一回一回の受験を大切にできたと思います。 すべての二次も一通り終わり、防医も含めると、防医、国際医療福祉、順天堂は補欠(後に繰り上げ合格)、自治医、日医は正規合格、という状況でした。

 共通テストが悪かったものの、九医に出願していたので、一週間前から九医対策を始めました。 しかし、自治医が非常に魅力的に感じられ、全然勉強が手につきませんでした。 先生とも話し合い、九医の試験日の前日の夜まで九医を受けるか悩みました。 そこで、九医にいきたかったのは旧帝大医学部で、地元で最難関だったからで、決定的な理由もなかったと思いました。 一方、自治医は面接対策などで学校について知った上で魅力を感じたので、本当に行きたい学校だと思えました。

 最後まで悩み、明確な根拠を持ったことで、納得した決断を出せました。 勿論これは先生からの支えがあってできたことです。自分の受験は紆余曲折を経た末に成功したと思いました。


4、各科目へのアプローチの仕方

 予め断っておきますが、これは個人の意見です。参考程度にしてください。


 英語:英語は他教科に比べて、学習した成果が発揮されやすい教科だと思います。 それゆえ、英語を完成させておくことで、安定した点数が取れるようになります。 しかし英語は、一長一短に成績が伸びる教科ではないので、早いうちから継続的にスタートさせておくと良いでしょう。

 英語は単語と文法が基盤になります。特に、単語帳については、学校から配られるものだけで本当に十分だと思います。 私は学校でユメタンが配られたのでそれを完璧に仕上げました。単語の意味の後に英単語が読み上げられるCDが付属していたので、それを中3の時から毎日一時間頭に流し込み、高二の時にはCDの内容をすべて読み上げられる(歌を歌うみたいに)ようになりました(音楽をずっと聴いてたら歌えるようになるのと同じ感覚です)。 このお陰で、日本語を見た瞬間に英単語が浮かぶようになりました(特に和文英訳で有効)。単語帳はCDを活用すると良いと思います。

 長文は、「毎日コツコツ」がカギです。毎日長文を一つ読むことで慣らしていくことができます。 そして、長文の問題は、まず設問に目を通すことが重要だと思います。どんなことが問われているのか把握しましょう。 これで私は、長文を解くスピードがかなり上がりました。特に、共通テストの長文では、長文の中のことがそのまま問われるので、予め設問を読むことで、長文を読みながら答えを発見できます。

 英作に関しては、私は学校で文例600という教材が配られたので、それを使いました。 単語の暗記と同様に音声を聞き込み、さらに自分で音読をすることで暗記しました。 英作を書くときは、覚えた例文を使うことが多かったです。 ただし、自由英作文に関しては、正しい文法を使うことももちろん重要ですが、内容もまた大切です。 論理の飛躍がなく、充実した内容を書くべきです。英作は、文法、スペルのミスのみならず、内容もきちんと評価してくれる先生に添削をお願いしましょう。


 数学:まずは基礎が大切だと思います。基礎というのは、教科書の内容のことです。 教科書上で取り上げられている公式などはすべて本質を理解し、自力で導き出せるようにしましょう。 この部分は少々面倒臭いかもしれませんが、我慢して習得することが大切です(私はこの部分をおろそかにして、後々後悔しました)。 実際に、公式の証明問題や、公式の本質的な内容が大学入試で出題されることもあります。

 基礎を抑えた後は、定石を習得すると良いでしょう。 定石を知っているとすぐ解ける問題は多くあり、こういう問題で点を確実に取っておくべきだと思います。 定石を覚える際は、チャートなどの典型的な問題集をこなせば良いと思います。 ただし、問題演習をするときはこなした量のみに固執せず、「なぜその定石が有効なのか」「別解は使えるか」などの検討をして、一つの問題から多くのことを吸収するという質の部分も大切です。

 そして、ここは軽視されがちですが、英作文と同様に、数学の答案は論理性が非常に大切です。 答えが出せても、論理の飛躍があれば、点数は大幅に下がります。

 私は現役の時、答えを出すことにこだわりすぎて、記述が論理的に正しいか検討する機会をほぼ設けませんでした。 その結果、現役時の九大受験本番では、大問5題のうち「答えだけは」2完3半しましたが、論理が崩壊していたので、開示をすると、実際の得点率は36%でした。 記述の論理性は、大切です。数学の答案は添削をしてもらうと良いでしょう。


 化学:私は基礎をDOシリーズで抑えた後、参考書で問題演習に取り組みました。基礎知識はDOで十分だと思いました。 化学は演習量が大切だと思います。演習を通して、身につけた知識がどのような形で問われるのか体感してください。


 物理:まずは基礎的な理論を覚えましょう。私は、物理教室を使用しました。 物理は力学、波動、電磁気、原子の四分野に分かれていますが、それらの内容をすべて説明できる(導ける)ようにしました。 これができるようになった上で、問題演習に臨み、復習の際は、各問題を根本的な現象に還元するようにしました。


 数学に頼りすぎて失敗することが多かった私は、先生から数学は点数のブレが生じやすいので、理科と英語で安定して高得点が取れるようにし、数学に頼りすぎないほうが良いと指摘されたので、英語、理科を完成させ、数学が少々下ブレしても耐えられるようにしました。 この戦法は非常に有効でした。


 地理:世界各地の気候を言えるようにし、地誌、統計の参考書を仕上げると良いと思います。 私は統計が苦手だったので、「統計が面白いほど読める本」を追加で学習しました。


5、最後に

 私はGLSで浪人したことで多くの知識、社会性を学べたのみならず、大学合格という結果も得られました。 この1年間は想像以上に辛かったけれど、非常に有意義な一年間でした。GLSで浪人できてよかったです。 原田将孝先生、ちほ先生、本当にありがとうございました。 また、私が最後まで努力できたのは家族の支えの部分も大きいです。ありがとうございました。 そして、GLSで受験勉強をするみなさん、本当に応援しています。みなさんの桜咲く春をお祈りしています。