T はじめに
一受験生の偏った意見、感想です。私自身、やろうと思ったことの多くはできていませんし、未だ何が悪かったのかわからないこともあります。 原田先生に「お前みたいな奴は見たことない」と言われるくらいですから、私が相当特殊なケースなのかもしれませんが、私が悩んだように悩んだ子もいるかもしれないので、私なりにそんな人達に伝えたいことを勝手気ままにエラソーに書きます。
U 現役時
私は長野県の田舎の高校出身で、高校生の時から真面目に勉強するタイプでした。土日も特に用事がなければ塾に行って勉強をしていました。
高校2年生の時に「総合診療医ドクターG」という番組を見て、医師という職業に対して「格好いい!!こういう風になりたい!」と思うようになり、医学部を志望するようになりました。 それまでは特に将来の夢もなく、医師について「大変そう」としか思っていませんでした。
国公立医学部は推薦入試が多くあり、地元の信州大学にも15名の推薦枠がありました。 センター試験で750〜800点くらいとれば合格するので、その枠で何とかひっかかってくれればいいなと思っていました。 というかそれがダメなら一般入試は受からないだろうと考えていました。
私は高校も面接試験だけで合格していて、試験というものをナメていたこともあったのでしょう。 センター模試ではいつも700点くらいでしたが、本番は何とかなるだろうとそのまま本番に突入し、そのまま8割強くらいの点数をとり、撃沈しました。
本番では数学1Aの二次関数でパニックに陥り、泣きながら数学の試験を受けたことを覚えています。 センター数学や英語はほとんどの人が9割くらいとっていく中で、私は何故こんなにできないのだろうと思っていました。
そのまま前期試験も落ちて後期は足切りにあい、浪人が決定しました。
V 一浪時
一浪時は、東京にある大手予備校の医学部専門校舎に通いました。 そこでまず驚いたのは、何故か授業初日に先生と顔見知りの先生がいたことです。 授業の時「またお前らかよ!」といった先生もいたそうです。 しかも基本的に医学部志望の子はとっても真面目で、講師室には毎日行列ができていますし、講習の前には廊下に長い行列ができたりします。 それでも合格率は3割程度で、残る7割の人はあきらめるかもう一度浪人するからしいです。
もちろん大手にも良い所はあって、その教科のプロの講師が教えてくれるので化学反応式とかの楽な覚え方を学べたり、自分で問題集であたると「こんなん知らないだろ」と思ってしまう問題も、みんなで授業でやることで抵抗感なく学ぶことができたのもありました。
しかしこの年もセンター試験の点数は伸びませんでした。3大予備校のセンター模試を受けられるだけ受けて、復習中心の勉強をしていたのに…。 いったい何が悪いのか分からなくて、勉強ばかりの日々に息切れしていました。 国公立前期試験の時は「早く終われ!!」としか思えませんでした。
結局その年も前期試験で不合格。私大医学部には経済的に進学できないので、国公立後期試験で他学科を受験して合格しました。
W 迷った末、二浪を決意
浪人はとても肩身が狭い存在です。 地元に帰ると、知っている人に会いたくなくてスーパーでも下を向いてコソコソ歩いていましたし、綺麗な桜の木を見ても「私にはこの桜を楽しむ権利はないんだ」とため息と涙しか出てきませんでした。
大学に行けば何か変わるかもしれないと仮面浪人を考えたりもしましたが、結局暗くて恥ずかしくて情けない浪人生活を続けることにしました。
もう一年続けるに当たって自分に欠けているものを考えた時、英語の読解能力と数学の力と計算能力が挙がりました。 特に計算能力は+−をすぐ書き間違えたり、繰り上げや繰り下げを間違えたりと、ひどいものでした。 私の為に汗水たらして働いてくれている両親やわざわざお参りをしてくれている祖父母がこのミスをみたらどう思うだろうと考えると、涙が止まりませんでした。 しかも、誰かに教えてもらえば改善するものでもありません。
なので、ある程度は去年使用した教材をそのまま使いながら、自習をメインにして勉強していきたいと考えるようになり、そうした方針で指導を受けられるGLS予備校を選びました。
X 二浪時
まず初めに伸びを感じることができたのはセンター英語でした。先生の前で音読して訳ができるようにしていくだけで9割ぐらいは行くようになりました。 要は読み込みが足らなかっただけなのですが、私にとってセンターで英語が足をひっぱらなくなったのは大きかったです。 やり始めの頃は、自分だけ読むスピードが遅く先生からやり直してくるよう言われ、悔しい思いもしましたが(笑)。
次は数学の答案の書き方です。初めて答案の書き方を学びました。 式の根拠もなく思いつくままに書く答案は採点者にも伝わりづらく自分でも分からなくなってミスにつながります。 このことから自分自身は論理的に物事を考えるのが苦手で、そのせいで過程を飛ばしてしまってミスしてしまうことが分かりました。
これは自由英作文の力を伸ばすことにもつながりました(何度となく先生に見てもらっては突き返されることを繰り返しましたが)。
そして最後はセンター試験に次ぐ私の天敵「志願理由書」です。 だって、「格好いいから!!」とか面接で言えないじゃないですか(笑)。
しかし、毎週毎週先生に一緒になって考えていただくことで、大体の筋が通ったものを作れるようになりました。 基本的には筆記試験の点数で決まる大学が多いので、一応筋が通っていれば大体の面接は切り抜けられると思います。
そんなこんなで、センター模試でも800点くらいは取れるようになってきて、今年はいけるかもしれないと感じることができるようになってきました。
Y センター本番での失敗、そこからの逆転
そしていよいよセンター試験。最初の日本史は自分の緊張に驚くほど緊張し、また生物が難化して焦りました。 しかし、去年よりは取れているだろうと自己採点してみると、いつもは出来ている国語で大コケ。 国語は模試でも去年より取れるように参考書で勉強していて、手を抜いたわけではないのですが…。
結局、センター試験の結果は3年連続8割強。 私、今まで何してきたんだろう…もうセンターの呪縛から解き放たれたと思ったのに…希望の光が見えたと思ったのに…。
しかし、一週間後は自治医科大学の試験。泣いているヒマはありません。 今、自分の人としての価値が問われているんだ、私には立ち上がる強さがあるんだと思い込んで何とか立ち上がってとぼとぼ歩き出しました。
自治医は自分なりに去年よりは出来たと思いましたが、一次試験の面接で落ちました。 理由は英語か面接ではないかと個人的には考えています。
もはや私にはチャンスは国公立前期試験しかありません。 後期なんて受けられるかすら怪しいです。 何やかんや、去年もあと30点くらいあれば合格できたので、今年強化した英作文と他教科で少しずつ去年の点より上乗せできれば8割近くいけるんじゃないかと思うことにしました。 もちろん、センターリサーチは毎度おなじみD、Eのオンパレードで倍率は13倍くらい。 しかしそんなことを考えてもプラスになりません。
前期試験当日は入室時から1時間くらいで試験開始だったので慌ただしく準備していたら始まってしまいました。 数学は3問中2問は完答できる問題だったのですが、そのうちの1題は焦りから不安な出来になってしまい、後悔が残りました。 書いたことは全て得点にするよう努力すべきです。 あと、頻出分野はこれでもかというくらい完璧にしとくといいです(出来なかった人が言いますが)。
Z 合格発表
合格発表は10時からだったのですが、10時30分になっても親から連絡がないので「やっぱだめだったんだ」と泣いていました。 実際は回線がトラブってしまっていたみたいです。 もう希望を絶つなら早く絶ってほしいと思っていた12時頃に父から電話があり、「あったよ」と言われました。 少しホッとして「間違いだったらめちゃめちゃ恥ずかしいな…」と思いながら、恐る恐るみんなに連絡しました。
このように、私の合格は、みんなが私にくれた力の一部を私が出したことで頂けたものです。 なんで医師になりたいなんて思ってしまったんだろう、こんなこと思わなければこんなに迷惑かけたり傷つけたりすることなかったのに…と思うほどでした。 受験は恋愛です(笑)、私はアプローチしまくってフラれまくりました(笑)。 皆さんはこんな風にはならないようにしてください。
[ 勉強について
現役、1浪時の私は問題集の問題を解けるように丸暗記すればいいと考えていました。 今年は先生から教わったことで、問題文のどこに着目して解き方を考えるのか、この問題から学べることは何でそれがどう初見の問題を解くのに役立つかということを少し意識するようになりました。 そのことで、無味乾燥だと思っていた勉強が少し楽しくなりました。
また、目的意識を持って勉強することも大事です。 目標は過去問レベルの問題で合格点を取れるようにすることです。 赤本を見て「こんなのできるわけない」と思わずに「絶対にこのレベルまで這い上がってやる」と思い、それを基準に勉強してください。 問題集を何周もすることや、先生から課題のチェックを受けてOKをもらうことが目的ではありません。 それらはあくまで目的達成の手段です。
私は特にミスが多かったので、ミスをしない方法をずっと考えていました。 本番で一文字読み間違えただけで数十点落とすこともあります。 本番ではどんなスピードで、どのくらい慎重に問題を解き、どんなところに気を付けていくのか。 いくら問題をといても本番で点にならなくては意味がありません。 普段の勉強で本番を意識することで少し変わるものがあると思います(なかなか難しいですが)。 とにかく、あらゆる方法を駆使して本番で一点でも多く取ることが大事です。
\ 最後に
長々と書いてしまいましたが、私が伝えたかったのは、センターができなくて、何かの教科が飛び抜けてできる訳でもない人にも医学部合格の可能性はあるということです。
最後に、今まで私に指導してくださった先生方、一緒に勉強してくれた友達、支えてくれた家族、親戚…数えきれないくらいの人たちに測り知れないくらいお世話になりました。 たぶん一生かかっても返せないくらい恩をもらいました。本当に本当にありがとうございました。